シュリンキング
最近、Apple TVの『シュリンキング:悩めるセラピスト』をシーズン3まで観終わりました。

Apple TV。。。
NetflixでもAmazonプライムでもなく、Apple TVです。
iPhoneを使っている人は山ほどいるのに、Apple TVを契約している人にはなかなか出会いません。
もちろん世界中には大勢の加入者がいるのでしょうが、少なくとも僕の周囲でApple TVのドラマについて盛り上がった記憶はありません。
あれだけ世界中にiPhoneを売っているAppleなのに、動画配信サービスになると急に存在感がなくなります。
Apple TVの話をしていても、途中からテレビにつなぐ機械の話だと思われている気がします。
それでもAppleは、ハリウッドの大物俳優を次々と出演させています。
いったい誰に見せるつもりなのでしょうか。
さて、『シュリンキング』。
主人公は、妻を亡くして私生活が荒れ放題の心理セラピスト、ジミー。
患者の人生に遠慮なく踏み込む独自の治療法「ジミーイング」を始めるのですが、患者を自宅に住まわせるなど、治療なのか何なのか分からないことに。
人の心を治療する前に、まず自分がカウンセリングを受けたほうがよさそうな主人公のお話です。
皮肉、下ネタ、悪口、余計な一言。
家族や病気など、扱っている問題は結構深刻なのに、心理セラピストたちが平気でくだらない冗談を挟んできます。
出演者がやたら豪華。
主人公を演じるジェイソン・シーゲルは『ママと恋に落ちるまで』、ジェシカ・ウィリアムズは『ファンタスティック・ビースト』シリーズで知られる俳優です。
ジミーの娘アリスを演じるルキータ・マックスウェルは、ホラー映画『バックルームズ』にも出演。
さらにジェフ・ダニエルズやコビー・スマルダーズなど、ゲスト出演者まで豪華です。
制作には『テッド・ラッソ』のビル・ローレンスも参加しています。
これだけの俳優を揃えて、いったい制作費はいくらかかっているのでしょうか。
Apple TVの加入者を身近で見かけない僕としては、少し心配になります。
もしかすると、僕が買ったiPhoneの代金も、ハリウッド俳優の出演料に少しは使われているのかもしれません。
だとすれば、僕も間接的にこのドラマの制作に参加していることになります。
そして何より、ハリソン・フォード!!
インディ・ジョーンズであり、ハン・ソロです。
そんな映画界の大スターが演じるのは、ジミーたちが働く心理療法センターの責任者、ポール。
毒舌で皮肉屋。頑固で愛想も悪いのですが、心理セラピストとしての腕は一流。
さらにシーズン3には、マイケル・J・フォックスまで登場します。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティ・マクフライです。
パーキンソン病と長年向き合い、2020年に俳優業から退いていた彼が、このドラマで実写作品への復帰を果たしました。
しかも、ハリソン・フォード演じるポールもパーキンソン病を患っているという設定です。
実際に病気と向き合ってきたマイケル・J・フォックスが、同じ病気を抱える人物として登場します。
80年代や90年代の映画を観てきた人間からすると、インディ・ジョーンズとマーティ・マクフライが並んで芝居をしているだけでも、なかなかの出来事です。
40年ほど前には、片方は遺跡を走り回り、もう片方はデロリアンで時間を飛び越えていました。
それが今では、病院で老いや病気について話している。
時間というのは恐ろしいものです。
シーズン3の最終回は、これでドラマそのものが終わるのかなと思うくらい、きれいな終わり方でした。
実際にはシーズン4の制作も決まっているそうです。
続きが楽しみなのですが、一つ気になることがあります。
ハリソン・フォード、まだ働くのでしょうか。
1942年生まれ。2026年現在、84歳です。
84歳。
インディ・ジョーンズとして世界中を飛び回り、スター・ウォーズでは銀河系まで救ってきた人です。
地球どころか宇宙でも働いてきたわけですから、もう十分ではないでしょうか。
それなのに、今もドラマの主要人物として長いセリフをこなし、しっかり芝居をしています。
このまま90歳になっても出演していたら、本当にハリウッドの伝説になりそうです。
いや、もう十分伝説なんですが。
それでも心配になります。
撮影は長時間にならないのでしょうか。
ちゃんと休憩しているのでしょうか。
座り心地の良い椅子は用意されているのでしょうか。
できれば無理せんとってほしい。ゆっくりしてほしい。身体をもっと大切にしてほしい。
切実にそんなことを考えながら、僕はいつもの仕事を終えて帰宅し、自炊した24時間ぶりの食事を死にそうな顔で食べながら、ハリソン・フォードの健康を心配しています。
向こうは一生働かなくても困らない大富豪。
こちらは明日の予約表に空き時間がなく、また仕事中に食事を取る暇もないことを確認して、美容師人生の手応えを感じている大阪の自営業者です。
「ハリソン・フォードより、俺が無理すんなよ」
というか、まず朝ごはん食えよ。
僕は心配する相手を完全に間違えています。
どうやらカウンセリングが必要なのは、ドラマを観ている僕だったようです。
なお、このブログの内容について、ご来店時にお話しするつもりはありません。
もしお客様から、
「ハリソン・フォードの体を心配する前に、ご自分が休んだほうがいいんじゃないですか?」
などと聞かれても、僕は真顔でハサミを置き、
「……で、髪の長さどうしますか?」
とだけ聞き返します。
読んだことは忘れて、ご来店ください。
なお、仕事中に食事をすると、食後の眠気で調子が狂います。
つまり、食べないのは仕事のためです。




