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バイオハザード

11 分前
読了時間: 6分

前回のブログでも書きましたが、同じ日に映画館で『クジラに落ちた男』と今回の『バイオハザード』を2本続けて観ました。


しかも、どちらも主演はオースティン・エイブラムス。


前の映画ではクジラに飲み込まれ、今度はゾンビだらけの街に放り込まれています。


この人、2026年は災難続きです。


今回の『バイオハザード』は、世界的な人気ゲームを原作としたサバイバルホラー。




監督は『バーバリアン』『WEAPONS/ウェポンズ』のザック・クレッガー。


出演はオースティン・エイブラムス、ザック・チェリー、カーリー・レイス、ポール・ウォルター・ハウザーなど。


主人公のブライアンは、ごく普通の医療品配達員。


ある医薬品をラクーンシティへ届ける仕事を引き受けたことで、とんでもない事態に巻き込まれてしまいます。


特殊部隊の隊員でもなければ、戦闘訓練を受けた人間でもありません。


ただの配達員です。


そんな人間が化け物だらけの街に放り込まれたら、できることは限られています。


とにかく走る。


今回の映画の宣伝文句は「90分間逃げろ!」


ずいぶん乱暴な指示ですが、命がかかっているので従うしかありません。


せっかく仕事で荷物を届けに来たのに、90分間も命がけで走らされることになります。


映画『バイオハザード』公式サイト


ところで、走るといえば、以前から気になっていることがあります。


うちのお店にも、走っているお客様がいます。


しかも何人かいます。


どういうことかというと、お店に来るとき、小走りで入店してくるお客様がいるんです。


遅刻しそうで慌てている様子ではありません。


どちらかというと、ボクサーがリングに入場するときのような軽快なフットワークです。


タッタッタッと入ってきます。


そして普通にカットやカラーをして、普通にお会計をして帰られます。


問題はここからです。


帰りも走るんです。


タッタッタッと。


最初は次の予定があるのかなと思っていました。


こちらの施術が予定より長引いてしまい、急いでいるのかもしれません。


それなら申し訳ない話です。


ただ、よく考えると、その方たちは毎回走っています。


毎回です。


ということは、僕が毎回その人の予定を狂わせているか、もともと走ることが生活に組み込まれているかのどちらかです。


できれば後者であってほしい。


しかも一人ではありません。


何人かいます。


そこで気になるのが、あの人たちはいったいどこまで走っているのでしょうか。


うちのお店は通路の奥にあるので、僕が確認できるのは、お客様が通路から出ていくところまでです。


その先は見えません。


もしかすると、通路を出た瞬間に歩いているのかもしれません。


それなら、うちのお店の通路だけを走っていることになります。


なぜでしょう。


あの数メートルだけ、走らないと気が済まないのでしょうか。


反対に、通路がウォーミングアップになっている可能性もあります。


僕が見ているあの小走りは、まだ準備運動の段階で、通路を抜けた瞬間から本格的に走り始めるのかもしれません。


だとしたら、僕は毎回スタート直前の選手を見送っていることになります。


駅まで。


職場まで。


自宅まで。


どこがゴールなのか分かりません。


仮に自宅まで走っているとしたら、どの時点で走るのをやめるのかも気になります。


マンションのエントランスでしょうか。


エレベーターに乗るまででしょうか。


あるいは自宅の玄関まで走り、鍵を開けたあとも小走りでリビングに向かうのでしょうか。


家族がテレビを観ている横を、小走りで通過していく。


冷蔵庫を開けるときだけ止まり、飲み物を取り出したら、また小走りでソファへ向かう。


そこまでいくと、もはや移動手段が小走りです。


歩くという選択肢を、どこかで捨ててきたことになります。


ただ、考えてみれば、僕が確認しているのは美容室を出る瞬間だけです。


その人が普段どんな速度で生活しているのか、まったく知りません。


会社の廊下でも走っているのか。


スーパーで豆腐を買うときも走っているのか。


休日に散歩へ出かけて、散歩なのに走っているのか。


そもそも、走っているときは何を考えているのでしょう。


人間が走る理由には、いろいろあります。


急いでいる。


運動したい。


何かから逃げている。


バイオハザードの主人公は、最後の理由です。


しかし、うちのお客様は違うはずです。


少なくとも、店内には追いかけてくるゾンビはいません。


僕がカットを終えた瞬間、お客様の中で何かが切り替わっているのでしょうか。


「よし、帰るか」


ではなく、


「よし、走るか」


という感じなのでしょうか。


もしかすると、僕のカットが、お客様を走らせるほどの活力を与えているのかもしれません。


そう考えると、美容師としてなかなかの仕事をしていることになります。


今のところ、歩いて帰るお客様の方が圧倒的に多いですが。。。


映画の主人公は生き延びるために必死で走ります。


一方、うちのお客様は、髪を切ってすっきりした状態で、何の説明もなく走り去っていきます。


どちらも目的地はあるはずですが、僕に分かるのは出発地点だけです。


もちろん、本人に聞けばすぐに解決する話です。


「いつも走って帰られますけど、どこまで走ってるんですか?」


ただ、美容師として長年仕事をしてきましたが、この質問をするタイミングがまだ見つかりません。


カット中に聞くには唐突すぎますし、お会計のときに聞くと、走って帰ることを前提に話しているようで変です。


かといって、お客様が走り出してから呼び止めるのはもっと変です。


僕が追いかければ、さらに話がややこしくなります。


通路から小走りで出ていくお客様。


その後ろを小走りで追いかける美容師。


第三者から見ると、何かが始まっています。


『バイオハザード』なら、このあたりから感染が広がるのかもしれません。


とりあえず、追跡する予定はありません。


なお、このブログの内容はご来店時にお話しするつもりはありません。


ただ、もしお客様から、


「どこまで走ってるか分かったんですか?」


「もしかして私のことですか?」


などと聞かれても、僕は真顔でハサミを置き、


「……で、髪の長さどうしますか?」


とだけお答えします。


読んだことは忘れてご来店ください。


最後に、走って帰られるお客様へ。


お帰りの際、店内での準備運動はご遠慮ください。ストレッチも含みます。

 
 
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